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山と渓谷社
グループ:Book
ランキング:853708
価格:¥ 1,152
発売日:1982-12
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継続は力なり
(2004-02-14)
平凡なサラリーマンが、カヌーで日本一周。
無理だと思いますか?
でも、それを実現した人がいるのだ。
吉岡嶺二さんは当時41歳。働き盛りのサラリーマンであり、3人の子供を持つ一家の大黒柱でもある。
子どもの頃から親しんできた海に、キャンプ用具を詰め込んだファルトボート(折りたたみ式カヌー)『サブロー号』を浮かべ、週末を利用して西へ進む。
前回着いたところからまた出発。この『尺取り虫方式』は、現在アウトドアや旅行で活用されているが、「カヌー膝栗毛」をもって嚆矢となすだろう。
すばらしいのは、まず、シーカヌー旅のスキルをほとんど独力で考え出していることだ。
当時、レジャーカヌーはほとんど世間に認知されておらず、ファルトボートで海を行くことなど誰も考えなかった。
航海法から用具の開発、荷物の運搬法まで、自分で考え出さざるを得なかったのだ。
次に、カヌーを「旅の手段」としているところ。
カヌーや自転車等で旅をすると、つい距離を稼ぐことに捕らわれがちだが、著者はそんなもったいないことはしない。
伝説を調べ、名所を訪れ、うまい物に舌鼓を打つ。なにより、そこに住む人との「カヌーが取り持つ縁」を大切にする。それが、さらに次の旅に膨らみを与えていく。
最後に、カヌーのために仕事や家庭をおろそかにしないところだ。
パドルの回転の合間に、仕事への情熱、家族への想いが折に触れて語られる。
「ここで止めます。尺取り虫は、また来ればいいんです。」
あくまで「遊び」「楽しみ」として、20年以上かけて日本を一周する。
このシリーズを読んでいると、
「継続は力なり」
という使い古された言葉が、新たな輝きを持って浮かんでくる。
とりあえずの目標を達成された吉岡さんは、仕事を定年退職された今、次なる目標として『北米五大湖から大西洋へ・セントローレンス川遡航』を計画中という。
新しい「膝栗毛」、読むのが今から楽しみだ。

